2017年7月10日月曜日

コンテナ学 (アビス学)



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KKのKはコンテナのK。どうもKKです。

今回は漫画『メイドインアビス』の記事です。

【作者紹介】

メイドインアビスはWEBコミック配信サイトの『WEBコミックガンマ』さんで連載されている漫画で、作者はつくしあきひと氏です。

図1.竹書房さんより発行されている漫画版『メイドインアビス』

絵本のような柔らかい絵柄が特徴的で童心に帰ったかのような気持ちで楽しめると同時に癖のある登場人物たちの心情や過去などが生々しく重厚に描写されていて、はらわたに細く長い針がズブズブと沈んでいくかのような重苦しさを感じる場面もあります。

作者のつくしあきひと氏といえば他にも『スターストリングスより』 などのpixivコミックも投稿していますので気になる方は読んでみてはいかがでしょうか。


【導入】

約1900年前のこと、南海オルベスカの孤島に巨大な縦穴が発見された。直径約1000メートル、深さは今でもわかっていない。
その巨大な縦穴には貴重かつ危険な原生生物や、理を超えた不可思議な遺物が見つかり一攫千金を狙う様々な冒険家を呼び寄せた。
彼らが探窟家と呼ばれるようになる頃、表層部の拠点は穴を囲うほどのものとなっていた。やがて出来た街はオースと呼ばれる探窟家たちの拠点として栄えるようになった。

この巨大な縦穴こそタイトルにもなっているアビス。本作はそのアビスを中心に、様々な探窟家たちの意思や誇り、探究心などが巡る冒険ファンタジーとなっています。皆さんもお子さんが出来たら読ませてあげると喜ぶでしょう。

図2.現在明らかになっている大穴アビスの姿



【ネタバレにならない程度の設定紹介】

①アビスについて

なぜ1900年間もの間、穴の深さや全貌が明らかになっていないのか。それは"アビスの呪い"と呼ばれるものによるものです。
皆さんはダイバーなどが発症する減圧症という症状をご存知でしょうか。これはボイル=シャルルの法則により海中の高圧下で圧縮されて血中に溶けていた気体が海面への急激な上昇で気体の体積が膨張し血管を塞栓し、循環器系に血行障害を引き起こす症状です。
"アビスの呪い"は減圧症とは厳密には違う原因なのですがトリガーとなる行動は同じです。穴の深い層から浅い層へ上ると発症します。これは深層になればなるほど深刻な症状となり探窟家を襲います。例えば深界1層から地上へ上がる場合だと軽い眩暈や吐き気程度で済みますが、4層からの場合になると全身の激痛と穴という穴からの出血、6層だと人間性の喪失、もしくは死に至るとされています。


②探窟家について

探窟家は国によって管理されており、また熟練度や経歴によってランク分けされています。
・見習いの赤笛
・一人前の蒼笛
・師範代の月笛
・達人の黒笛
・英雄白笛

探窟家たちはアビスに潜る際、警報や救援要請として用いる笛を首からさげているのですがその笛の色によってランクが分けられています。笛の色によって深度制限が決まっているようで、見習いの赤笛が潜ることの出来るのは深界1層までで2層まで潜ってしまうと自殺扱いとなり捜索隊が派遣されなくなります。
しかし最上位の白笛ともなると深度制限の枠が外され人間が戻れる限界の5層を超え6層以下に潜ることが可能になります。 しかし白笛と言えども人間である以上アビスの呪いは避けられませんので片道切符となります、ですので6層以上に探窟家が潜ることを"絶界行(ラストダイブ)"と呼び、街の人々は探窟家の勇気を讃え祭りを開催するわけです。

また現在明らかになっている白笛は世界でたったの5人で全員もれなく自分で発掘した遺物で武装し千人力の力を発揮します。同時に呪いを受けすぎたせいか全員もれなく精神異常者のケがあります。(まぁ異常だからこそ最高峰の白笛になれてのかもしれませんが)


③遺物について 

大穴アビスには2000年前の人間が使っていたと思われる理を超えた宝"遺物"が眠っており、その遺物には等級が決まっています。
・4級遺物
取るに足らない、また用途が不明なもの。既存の道具の代用になりにくいもの。
例)星の羅針盤、太陽玉、ウロコ傘 etc......

・3級遺物
高い価値や実用性を示すもの。探窟において有用なもの。
例)霧織り、姫乳房 etc......

・2級遺物
新しい概念をもたらし、生活を変えうるもの。また、探窟において極めて有用なもの。
例)天気を当てる風見鶏、塵を集める壷

・1級遺物
国同士の力関係を変えうるもの。深層探窟においても極めて有用なもの。
例)呪い除けの籠、意識で動く腕、水を生む盃、見えない光を見る眼鏡、鉄を切る鋏 etc......

・特級遺物
命を延ばす酒、決して切れない糸、時を止める鐘

・奈落の至宝(オーバード)
正式な分類ではないがアビスの価値を脅かしうるので競売にすら上がらず、秘匿隠滅されているもの。

低級遺物ほど形が単純で浅い層で見つかり、高級遺物は深層で見つかるので探窟家たちはより深層を目指すわけですね。


【考察】
さて遺物の紹介をしていて思ったのですが遺物って特級はまだしも1級までの遺物は現代再現できているものが殆どです。
例えば2級遺物の天気を当てる風見鶏はアメダスのようなものですし、塵を集める壷は掃除機。
1級遺物の意識で動く腕は電気義手、水を生む盃はウォーターサーバ、見えない光を見る眼鏡は赤外線眼鏡など似たようなものはたくさんあります。
ここから推測する本当に細い線のような考察なのですがアビスのそこには現代のような高度な文明が栄えているのではないでしょうか。そこの人間が捨てたものがアビスで遺物として発掘されているのではないでしょうか、なんて妄想をしていましたが純粋に物語を楽しむうえで考察というのは邪魔になるのでこのあたりにしておきます。


【おわりに】
この記事をここまで読んで下さった方、ありがとうございます。途中で飽きてここまで飛ばしてしまった方は是非1度読んでみてください。傲慢な考え化もしれませんがこの記事が1人でも多くの人に読んでもらうより『メイドインアビス』を読んでくれる人が1人でも増えてこの感動やワクワクを共有できる方が私は嬉しいので是非皆さん1度読んでみてください。そして多くの人に勧めてみてください。ちょうどアニメ『メイドインアビス』も始まったことですし。
それでは今回はこのあたりで。